このアルバムを開けば、彼女のアーティスト名がなぜ“愛”と書いて“ラブ”なのかがよくわかる筈。
全編を通して愛に溢れ返っているのだ。
音楽への愛、歌うことへの愛、聞き手の愛が手に取るように伝わって来る。

彼女を長年知る私は、ラブが周囲の人々はもちろんのこと、ファンや観客、それこそ見知らぬ街行く人々や動物や草花にまで愛を持って接する人だと言うことをここで明言しておきたい。
それはラブの歌声、そして眼差しを見て頂ければ納得がいくだろう。
とても美しく、しなやかな母性と優しさを秘めた佇まいはまるで女神のようだ。
そんな彼女を私も愛さずにはいられない。 

そしてまたその愛の技術もさることながら、慈愛に満ちた声の響きは、心に深く染み渡り、大海原に身を任せたかのような余韻を残す。
芸術性の高さも筆舌に尽くし難いものがある。
各楽曲毎に違う表情を見せるかのような引き出しの多さにも驚くだろう。
プロデューサーへの尊敬心も見て取れ、丁寧かつ繊細な歌唱は誰にも真似することができない。 

このアルバムを手にしたら、きっと女性性の全てを感じることができ、ラブに憧れ、恋焦がれるに違いない。
母、妻、恋人、姉、妹など、あらゆる存在を想い浮かべることになるだろう。
何度も繰り返し聞き、彼女が横で微笑み、歌う姿を想像し、思う存分楽しんでほしいと願う。　

Michico（歌手、音楽プロデューサー／EXILEのI Wish For Youで第52回日本レコード大賞を受賞／作詞担当）